真夏のことでん旧型車両と戯れ旅(8月15〜17日の出来事。5日からの連載モノです。最初からまとめて読みたいかたはこちらが便利です)

しまった字が小さすぎて読めん。

時間になったので電車にひと駅分乗って片原町。ここからうどん屋ハシゴツアーの始まりだ。
さぬきうどんの業態は大きく3つに分けるのが一般的。「一般店」「セルフ店」「製麺所」*1。でもこの分け方は不適切とも言える。サービスの提供方式と流通経路という、ふたつの基準がごっちゃになっているからだ。
また一般店という表現は意味が曖昧なので、ガソリンスタンドを真似て「フルサービス」と呼んだほうが伝わりやすいかもしれない。


ま、そんなことはとりあえずどうでもよろしい。まずは片原町駅前から続く商店街の一本隣の筋、三越の裏手にあるうどん店「義経」。
古風な店構えのフルサービス店。あ、でもおでんは勝手に取るようになってるから半セルフか? わかめざるうどんを注文。わかめてんこ盛りなのが嬉しい。
ちなみにここのお店、二回には木蘭(ムーラン)というラーメン屋があってそっちもなかなか惹かれるものがあるのだが、今日は我慢、我慢*2


つぎのお店。商店街のアーケード下に戻ってさらに西へ進むと右手にあるのが「さぬき一番」。これまた古風な店構えのお店。うどんのメニューに「ぬくいん」「つめたいん」と書いてあるのはさすが香川。
しょうゆうどん200円也を注文。安い。そしてうまい。
さっきの店もそうだったが、TVで高校野球やってるのが夏の情緒をかもし出して非常に好ましい。


ちゅぎ。さらに西に進んで「うどん市場」。
きわめて大衆的なセルフ店。舌ったらずの女子店員が接客してるところがはなまるうどんを想起させて一抹の不安を感じるが、それを吹っ飛ばす美味。店内には新聞のスクラップが貼ってあり、メディアの注目度もけっこうあるお店みたい。


つづく。

*1:http://www.shikoku-np.co.jp/udon/data/find.aspxなどが凡そこの分類に従っている。

*2:坂出の大衆食堂でラーメンを頼むと、塩味スープの質素なものが出てきた記憶がある。これは出雲大社門前の食堂でも同じのが出てきて、中四国ではこれが標準だと思っていたのだが、最近こういうシンプルなラーメンは駆逐される傾向にあるので今でも残っているか気がかりだ。

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「うどんのたむら」前より撮影。

今橋で車庫に休む車両たちを撮影してから、瓦町で本屋に寄り高松のガイドブックを購入。それから長尾線の公文明へ。ここにある「うどんのたむら」はことでんファンの聖地。店の外から中を覗くと、常連の撮り鉄さんが寄贈したことでんの写真が壁にズラリ。壮観。
前々から来たかったお店なので、ついに訪問が叶って感動。


でもお店はお休みorz


悔しいので店前からことでんを撮影して気を紛らわす。


気を取り直して再び瓦町方面へ。結局昼食を食べ損ねたことになるので、街に出てうどんを食べようと。
しかしことでんって、冷房強いなあ。汗かいてるところでいきなり涼しい風にさらされると、絶対身体によくないよな。


瓦町で降りて、郵便局へ。お金下ろさないと。
下ろしたお金で、ことでんのDVDを買う。

琴電 大正のオールドタイマー 琴平線を駆ける』(テラダプロジェクト)
『琴電 ノスタルジックLIVE 長尾・志度線』(同)

アマゾンでも買えるんじゃないかとも思うんだが、直接ことでんで買うことに意義があるw


ひと駅乗って片原町近辺のうどん屋にアタリを付けたいのだが、列車の到着までまだ少し時間がある。コンコースで地元CATVの宣伝モニタを見ながら暇を潰す。
天気予報によれば、17日の台風直撃は無さそう。最悪四国からの早期離脱も覚悟していたが、それは回避できそうだ。


つづく。
明日明後日はお休みして、つぎは月曜に掲載予定です。

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八栗駅で23系を撮影。

帰り、タクシーを拾って帰ろうと思ったら、いない。わざわざ迎車を寄越させるのもなんだし、かといって歩くのも辛いし…。


と思っていたら、すぐ近くに石の民俗資料館*1というのがあるらしくて、ここで「もっと知ろう!四国の鉄道展」というのをやっていた*2ちなみに去年は同じ場所で「ことでん今昔物語」http://www.shikoku-np.co.jp/event/details.asp?id=8052))というのをやっていたらしい。こっちも見たかったorz



とにかく行かなきゃ!


八栗山のある牟礼町*3は石材産業がさかんなところ。その歴史を語り継ぐべく作られたのが石の民俗資料館。
常設展示では石材加工の歴史が説明され、実際に使われた道具や、等身大の職人をかたどった人形が加工の様子を再現するように動いたりする。こっちもしっかり見ておくのがよさげ。


常設展示を片付けたら、いよいよ特別展「四国の鉄道展」へ。
決して広くはない展示場だが、現JR四国の車両模型や昔の写真が所狭しと並べられている。目玉は運転台からのビデオ映像。ついつい見入ってしまう。


なかなか満足できたので、駅に戻ることに。結局歩くことにした。やっぱ行きはタクシー、帰りは歩きのほうがずっと下りでいいみたいよ。


つづく。

*1:http://www.art-planning.com/paradise/sanuman/isimin/isi_siry.shtml

*2:http://www.shikoku-np.co.jp/event/details.asp?id=10391

*3:いまは合併して高松市。でも牟礼町商工会のサイトは2006年8月23日現在まだ残っている。http://www.shokokai-kagawa.or.jp/mure/index.html。元町民はまだ合併前の状態に未練があるのかも。

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八栗ケーブル。流線型かわゆい。

ともかく、ケーブルカーに乗る。お土産屋が併設されていて、店番してるおばちゃんが切符も売ってくれる。往復券を購入してしばらくすると、改札口が開いてそのおばちゃんが切符をもぎる。


ケーブルカーはレトロな流線型が可愛い日立製。中は非冷房で扇風機が回ってるのだが、よく見ると家庭用の壁掛け扇風機を使ってる。
運転席は無人だが、しばらくすると、


さっきの売店のおばちゃんが運転席に!


すげー、一人で切符売って改札して運転台に座って。頂上から下りてきた車両の運転台にはおじさんが乗ってて、実質二人で切り盛りしてるのね。


そして走り出す。車内にはテープによる観光案内、と思ってたらいきなり「いろは歌」が流れてきた。それを延々と聴かされながらの山登り。でも悪くない。窓の外には高松市内が一望のもと。
時代に取り残された感が蔓延してる。こういう観光地は大好きだ。


山頂に到着。頂上というよりはゆるやかな傾斜を含んだ台状になっているみたいで、山の上にいくつもの建物が散らばっている。いろいろ散策。楽しい。
お土産屋がまたレトロ。ここでラムネ飲んで小休止。下りのケーブルカーを待つ間、「ニッキ水」を飲む。ニッキの刺激が清涼感を呼んで、美味。


つづく。

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23号の車内。レトロ。レトロ。

さて。今回は乗り鉄撮り鉄にとどまらず、観光もちっとはしようと思ってたので、八栗で降りてみる。八栗寺詣でをしつつ、ケーブルカーを撮影してみようかと。


ってそれ、乗り鉄撮り鉄から離れてないじゃん!


駅から結構歩くらしい。駅前にタクシー会社があったりするんだが、とりあえず歩いて行ってみようと。もしそれで辛かったら、帰りはタクシーで。
が、それが失敗だった。道中ずっと登り。いつの間にか空は晴れ上がって、夏の陽射しが容赦なく照りつける。


汗だくになりつつ、田舎道を歩き続ける。そういえば水分の確保も忘れてた。それどころか朝食摂ってない。こりゃヤバイかな、と思ってたところに、


「手打うどん 山田屋」


地獄に仏。ひとまずここに入るしかないでしょ。


広大な敷地と重厚な建物は昔の造り酒屋のもので、文化的遺産。前に「水曜どうでしょう」で大泉洋ご一行が立ち寄ってたような気がする。
大きな門をくぐると受け入れ専門の店員さんが案内してくれる。涼しい店内で一息。


今回食したのは「冷やしぶっかけ」。大根おろしとレモンの清冽さがたまらない。いかにも高級店チックな感じなのに530円だから、わりとおトクな感じ。
東京だったら800円くらい取られるだろう。


そして再び歩き出す。そこからもケーブル乗り場まではまだ遠くて、ようやく見えてきたのになかなか距離が縮まらない。
着いたときには、もうヘトヘト。さっき引いた汗が再び大量噴出して、シャツまでびしょぬれ。


つづく。

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3000系@高松築港

なんとなーく高松築港まで乗って折り返してみれば、いきなり325を増結した三両編成とすれ違う。慌てて瓦町で下車、その折り返しを待つ。


ことでんの自社発注車に乗るのはたぶん初めて。外観も内装も古めかしい。中には同業者ばっか。撮ってる人も、録ってる人も。
それもそのはず、旧型車は冷房が無いのでカタギの乗客はみな前の冷房車に集結。でも朝の外気を取り入れて走る電車は自然の涼しさが気持ちいいと思うんだよなあ。弱冷房車の設定ないんだから、その代わりで残しておいてもええんちゃう? じっさい折り返しの上り列車では旧型車にもけっこう一般乗客が乗ってきたし。


乗務員さんはみんな若いねえ。男の目からだと分かりにくいけど、実はイケメン多いんちゃう? 実は彼らが女性客の集客に一役買ってたりしてw


いったん長尾で折り返して、平木で降りる。こんどは300を織り込んだ三両編成に乗り込む。こちらは丸窓が再現されてて、よりレトロさが増している。
その古豪が、直線では時速60キロ出すから驚きだ。モーターの唸り具合といったらもう。


本日、長尾線の旧型運用は以上の2両だけみたいだ。志度線はどうだろう? てことで移動すると、いきなり23号に遭遇。この子は木にニス塗りの茶色系でまとまった室内がシックで、まさに走るアンティーク。柱が彫刻みたくなってたり。
あとお役御免なはずの24号もしっかり走ってて。何とか廃車は思いとどまってほしいものだ。


とこれを書いた8月下旬までは思っていたのだが、20系をバラす準備は着々と進んでいるらしい…。


つづく。

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長尾線用新車@高松築港

朝風呂を浴びて眠気を取り去り、宿を発つ。曇り空だが降りだす気配は無し。台風接近のわりにはあまりに静かな朝。でも全身にまとわり付く熱気は、否応無しに大量の汗を噴出させる。
アラームは5時半にセットしていた。推定睡眠時間2時間強。う〜ん、一日乗り切れるかなあ。


初めてことでんに乗ったのは確か7年前のことだ。出雲から松江方面に旅をして、米子から伯備線で瀬戸内海側へ。瀬戸大橋を渡って坂出泊。翌日いったん高松に出て、そこから初乗り運賃で行けるところを転々とした。そのときも、駅で降りるごとにうどんを食べていたと思う。


そのころは琴平線にも古い車両が普通に走っていたし、いま志度線長尾線で主流となっている名古屋市営地下鉄からやってきた車両には、道中1編成しかお目にかからなかった。
まだイルカも無い時代で、無人駅から乗車するときは車内で補充券を出してもらったり、駅前のよろず屋で乗車券を購入して乗ったりしていた。
今や、「ふらっと行ってふらっと乗れば、それがレトロ車両」という状態ではなくなってしまったし、沿線の風景もだいぶ変わってしまった気がする。でも下調べすれば、幾多の古豪たちに出会うことが出来る。まだ、間に合う。


現在平常運用の旧型車に確実に出会うには、平日朝の増結を狙うことが必要。去年の冬にも一度来て、志度線は色々見て回った。今回の朝増結は、長尾線をメインに攻めていく方向。300と325が出ているらしいというweb情報は掴んでいたのだが、確証が無い。とりあえずホームで待っていると、新たにことでん入りした長尾線京急大型車が。緑の塗装はなかなか涼しげで合ってるかもだ。


つづく。