18きっぷ旅 四日市・近江八幡編(8月16〜18日の出来事。6日からの連載モノです。最初からまとめて読みたいかたはこちらの6日分エントリーからたどると便利です)

商家かと思いきや実はおトイレw

さて、八幡は商人の街である。洋風建築の次は町屋を見て回ろう。前回来たときとは少し違うルートをウロウロ。ろうそく屋とか、都会ではなくなったような専門店がまだまだ残っている。大型店形式でなく、特定の日用品をこまごまと小売りする業態がまだまだ通用しているということで、それはすばらしいことだ。

今回はまだ時間があるので、じっさいに町屋を見学してみようと。近江八幡市ではいくつかの旧家を資料館として開放している。入館料は隣接した数軒の建物通しで500円だった。

中に入ってみると、夏の盛りだというのにさほど暑くない。旧い日本家屋は空調なしでも過ごしやすいように作られているのだと実感。室内には昔の商売道具や古民具がいっぱい。好事家はヨダレものであろう。展示方法は極力昔の商家の生活を再現する方向であるらしく、畳の部屋に靴を脱いで上がり見学するスタイル。

昔の生活を再現しているからには、客間もある。机と座布団があって休憩できるようになっている。座り込んで一息。

ここの資料館は古文書を活字などに置き換えたものを併置してくれているので、誰でも内容が理解できるようになっていて親切。ぼくはくずし字が読めないのでありがたい。壁に昔の商家の家訓が掲げてあって、

三割四割と申す高利の候はば不実なり…すこしの利なりとも其の内にて口過も致すなり…欲深き事をそんぜば…佛神に背き候べし…
(読み下し:yamazakura)

多くの利益を得ることこそ正義であるという価値観がひとびとを支配し、守銭奴たちが跋扈する現代では、こんな美しき商売の道徳はすっかり忘れられてしまった。

つづく。次回は日曜もしくは月曜に掲載します。